今回の依頼は打ち込み井戸工事です。
営農型太陽光発電事業のお手伝いをさせていただくことになりました。
計画段階で潅水用の水は井戸水を使用したいとのことで当店にご相談下さいました。
当該場所は打ち込み井戸では出る所と出ない所がある非常に難しい地域でした。
浅井戸での施工では賭けになるかもしれませんとお見積り段階でお伝えさせていただきました。
吉日を選んだ工事当日は、まとまった雨が降る予報になってしまいましたので、手付けだけさせてもらうことにしました。
早朝に工事の安全と成功を氏神様に祈願しました。
水の出ない井戸工事ほど大苦労することが多いので、成功の為でしたら験も担ぎますし、神頼みだってします。
地の神様、水神様にご挨拶を行い1mほど掘削して埋設物がないことを確認して雨の初日は終了です。
翌日は天候も回復し工事日和となりました。
ただ、作業を進めて間も無く心配していた通り2m程の浅い深度で堅い地層に到達してしまい打ち込むことが出来なくなってしまいました。
たまたま地下に大きな岩があったりコンクリートガラが捨てられていることもありますので、念のため2mほど離れた箇所へ打ち直してみましたが、やはり2ヵ所目も期待虚しく同じような深さで打ち込み不能となってしまいました。
すぐさま担当者と協議をさせていただき、大きく場所を変更させてもらうことにしました。
3ヵ所目の近くには小さな川があり、計画段階では当店はこちら側を推奨していたのですが、諸事情から採用を見送られていました。
ここで出なければ深井戸を掘るか、上水道を引き込む選択肢になります。
どちらも初期費用や運用費用が大幅に膨らみ計画運用に食違いが生じてきます。
お見積りでは11mまでの施工でしたが、0mから11mまでずっと粘土層で地下水も全くない状態です。
地形柄から一箇所目、二箇所目の堅い地層が山裾のように下がってきているのではないかと予想して更に下へ探ることにしました。
思惑通り15mから砂利層に入り16.5mで堅い地層に到達しました。
この粘土層と堅い地層の1.5mの僅かな間隔の砂利層に非常に豊富な地下水が流れている模様です。
一時はどうなることかと心配しましたが神頼みが通じたのか、水質も良く砂の量も少ない良質な帯水層を探せたことに安堵しました。
口径:50A 完成深度:GL-16.5m 静水位:GL-0.80m
水量:多(推定315ℓ/min) 鉄分:反応無し 砂量:僅か
砂色:焦げ茶 水色:黄土色 水温:15.8℃ 外気温:17.0℃ 天候:雨~晴れ
六曜:大安 海抜:7m
水の出る事が確定しましたので、汲み上げポンプを据え付け潅水配管の施工に入らさせて頂きました。
井戸の場所を変更してしまった事で、配管延長が大幅に伸びてしまいましたが致し方ありません。
今回は三相200V電源の汲み上げポンプを選択されました。
電源供給前でしたので発電機を持ち込み試運転、通水洗管、水圧試験を行い、ポンプ、配管共に問題無いことを確認して当店の工事は完了です。
S(株)
A様 S様
この度はご依頼くださいまして誠に有難う御座いました。