潅水用の井戸工事をお願いしたい

今回の依頼は打ち込み井戸工事です。

畑の潅水用途です。

前回調査した井戸が使い物に成りそうにないことを報告したところ、新たに井戸工事を施工してもらいたいとご依頼いただきました。

 

 

今回は準備から片付けに至るまでの作業ボリュームを説明しながら進めてまいります。

先ずは工事の依頼を請けて下準備から行っていきました。

鞘管となる100Aの鋼管を作業に先立って仕上げておきます。

前回工事で溶接した補強パッチを取り除き、打ち込み機械を取り付けるためのフランジを傾きがないように溶接し直していきます。

溶接した部分をバサッと切り落としてしまえば仕事は早いのですが、それをすると工事の度にさや管がどんどん短くなってしまうので出来るだけ溶接した部分で切断するようにしていますが、これがなかなかの手間です。

短くしたくない理由として、溶接継ぎ目を多くしてしまいますと、打ち込みと引き抜き作業時の摩擦抵抗が増してしまうので作業効率が落ちてしまことにあります。

 

 

次に井戸管となるパイプには、地下水を集水するための穴開けと砂を防ぐための網巻き作業を行いました。

一般にストレーナー加工と言います。

 

 

その後作業で使用する機械工具をトラックに積み込んでいきます。

ここまでの準備工が3日ないし4日かかります。

 

 

施工日は吉日を選び、早朝には神社にて工事の安全と成功を祈願しました。

 

 

 

1mも掘ると地下水が湧き出てきました。

 

 

 

 

地表面から3~4mほどの深さに粘土層がありましたので、粘土層に近い浅い深度の地下水は鉄分が多いのではないかと予想しました。

既存の吹かし井戸はストレーナーに巻いた砂を止めるための透水シートに、解けたこの粘土層が入り込み徐々に詰まっていき施工当初より揚水量が少なくなってしまった可能性が考えられます。

続けて鋼管100Aのさや管を計画の深さまで打ち込んだ後に、管内の砂を吐き出させ予め準備していたストレーナー加工したケーシングパイプHI-VP65を挿入しました。

 

 

 

ケーシングパイプの挿入が完了し、その後さや管は全て抜き上げました。

どちらかと言うと打ち込みより引き抜く方が重力に反するため時間がかかります。

打ち込みに1日、引き抜きに1日~2日といったところです。

 

 

井内の洗浄と揚水を行い、毎分400L以上の汲み上げを確認しました。

鉄分も砂も許容範囲内に収めることが出来たのではないかと感じます。

揚水工は仕上げの程度にもよりますが、半日~2日です。

 

 

 

 

 

 

口径:HI-VP65 完成深度:GL-12.0m ストレーナー位置:GL-6.0~12.0m(SUS304#60二重巻)
静水位:GL-2.8m 水量:多(推定420ℓ/min) 鉄分:0.2ppm以下 砂量:僅か
砂色:茶色がかった明灰色 水色:山吹色 水温:18.3℃ 外気温:24.8℃ 天候:晴れ
六曜:大安 海抜:6m

 

 

工事が完了した後はトラックの積み荷を降ろしたり、使用した道具のメンテナンスをしたりする片付工が1日で、工事に費やす日数は1週間~10日程です。

これにパイプやステンレス網の材料費、燃料やオイル、溶接棒、さや管、機械工具、車両などの消耗品費、諸経費、消費税が含まれたものが工事費総額となります。

余談ですが諸経費がいまいち良く分からないと申される方がおられますが、「諸経費とは」でネット検索して調べてください。

簡略すると事業を営んでいく上で必要になる事務所や倉庫の償却費だったり資産税、コピー機やパソコンなどの事務用品費、各種保険、年金、退職金、事業税、資格免許取得にかかる費用や更新料、機械工具車両の購入費や更新及び維持費などの直接工事に含まれない費用などに充てられます。

いま読まれているこのHPも宣伝広告として製作費や維持費がかかっています。

商売をさせていただいていますと、お客様には見えていない支出が結構あるものです。

それでは打ち込み井戸工事のご用命お待ちしております。

 

 

(株)A代表様
この度もご依頼いただき、誠に有難う御座いました。

 

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