今回の依頼は、打ち込み井戸の施工です。
山間部の川に付いた場所へ打ち込み井戸が欲しいとのことでした。
上水道は引き込まれていたようですが、災害時用に準備をしておきたいとの理由です。
他社へ工事の打診をしたところ、数社お断りの返答をいただいたようです。
平野の川と違って、山間部の川は地山や岩盤である率が非常に高いです。
地上に振った雨も地下に浸透し難く、山と山の間の谷へ川となって流れているといったイメージです。
打ち込むことが出来さえすれば見込みがありますが、こればかりは実際にやってみないことには分かりません。
そもそもが地盤が固くて浸透していかないので、岩盤を砕いて掘り進んでいくロータリー掘削機(エアーハンマー工法)ですら300m掘って数千万円もかけても染み出る程度の地下水しか湧かなかったなんて話も耳にすることがあります。
ダメでも掛かっただけの費用は負担するのでお願いしたいとのことでしたのでお引き受けさせていただきました。
移動に時間がかかることから、早出で神様への訪問も辺りが真っ暗でとても神秘的でした。
写真では拝見させてもらっていましたが、実際に現地で辺りの地形を眺めると、直感的には川の直ぐ真横へ打てれば地下水が採取できそうな予感でした。
50㎝ほどスコップで試し掘りをすると頭くらいの岩がゴロゴロ出てきました。
1箇所目は1.6m打ち込んだ深度で打ち込み不能になってしまいましたので、場所を川側へ寄せて2箇所目を打ちましたが1.8mの深度で止まってしまいました。
吉方位を確認して、更に境界ギリギリの場所へ打ち込みましたが、若干深くなった程度で、やはり2.2m程の深さで止まってしまいました。
川の水面までが2.9mありましたので、地下水位までも到達できていません。
最後は機械の接続部が折れてしまったので打ち込み断念とさせてもらいました。
この様子ですと、パーカやロータリーでも難しい場所ではないかと感じました。
とてつもなく大きなユンボを持ってきて穴を掘りながら岩を油圧ブレーカーで少しづつ粉砕していけば、ある程度は掘り進めることができるかもしれません。
だだ、それですと川の水を汲んでいるのと何ら変わらず、降雨時の川が濁る時にはどうしても井戸も濁ってしまうことになります。
吉日を選んで、神社にも神棚にも手を合わせ、井戸に適した方位を選んで挑んだわけですが、井戸工事は地形に勝るものは無いという事例でした。
S様
この度はご依頼下さいまして誠に有り難う御座いました。
結果的に、ご期待にお応えすることができず大変申し訳ございませんでした。