今回の依頼は、農作物の潅水用の打ち込み井戸の施工です。
ご依頼主が、数日かけて井戸掘りに挑戦してみたようでしたが、思い通りの結果に至らなかったようです。
それでも地表面から5mほど掘り進めたようですから、かなり奮闘されたとお察しいたします。
DIYで井戸掘りしていくと先ず最初の壁に当たるのが、自然水位の深度に到達した辺りで穴が崩壊して掘り進めなくなることです。
そこで穴の崩落を防ぐために井戸の側管(鞘管)を入れていくことになります。
因みにプロは泥水を張って裸孔のまま掘り進めます。
その次に、砂や粘土の時は面白いように掘り進めたのが砂利層に変わった途端、一変して砂利が浚えなくなり掘れなくなります。
あれやこれやと知恵を絞り、道具を改良してそれらを克服したとしても次に待っているのは、拳大や頭ほどの大きな岩に当たり掘り進めなくなったり、さや管が摩擦抵抗で打ち込めなくなったりと次から次へと試練は訪れてまいります。
深くなればなるほど、掘削屑を汲み上げるためのスイコが砂利や砂に噛まれて引き上げれなくなってしまうトラブルにも見舞われることとなります。
これは何十年と井戸掘りに携わってきたプロでさえも発生しうる事故です。
100m、200m鑿掘して最後の最後で鑿掘ビットを食われて失敗して最初から掘り直すなんてケースもあるくらいです。
井戸掘り業者も山ほど失敗を経験してきていますので、正に失敗は成功の母です。
これを経験無しの独学で、しかも人力でやろうとなると生半可な覚悟では成し遂げることは困難ですが、それら全てを克服して井戸を完成させた暁には、井戸掘りのロマンや醍醐味、達成感を味わえることは間違いなしです。
今回は、依頼主が途中まで掘ったさや管の中へ打ち込むために一回り細い40Aの打ち込み管を用意しました。
打ち込み井戸用に使用する鉄管は、通常の配管に使用する管より強度があるものを選定しています。
これは堅い地層に到達したときに管が曲がり難いという特性と、耐久性すなわち寿命が延びるというメリットがあります。
デメリットは材質が良いものを使用しているため、材料価格が上がり工事費も高くなります。
一度は打ち込んで水出しまでしたのですが、とある事情から全て抜き上げ直ぐ真横へ打ち直しをしました。
水量はとても豊富にありますが、金気も非常に多い水質になります。
この辺り一帯は70m付近まで掘らないと鉄分が無くなることはないため、用途が農作物の水遣りですので、鉄分が多いのは目をつぶっていただくしかありません。
口径:40A 完成深度:G.L.-5.8m 静水位:G.L.-1.50m
水量:多(推定240ℓ/min) 鉄分:10ppm以上 砂量:僅か(砂礫混り粗砂)
砂色:灰色 水色:灰色 水温:17.0℃ 外気温:26.0℃ 天候:晴れ
今回、100mほど離れた別の畑にも1本打たせていただきました。
着手前には水神様へのお神酒とお清めをして工事の安全と成功を祈願するようにしています。
こちらは当店で通常打たせていただいている50Aの打ち込み管を使用させていただきました。
先端加工とストレーナー加工は自社で製作しており、市販のものより長めに穴あけ加工を施してあります。
ストレーナー径は小さすぎると目詰まりしたり水量不足に陥りやすく、反対に大きすぎるといつまでも砂の排出を止めることができなくなってしまいます。
この辺りは施工者の考え方で左右しますが、当店では経験上から最適だと思える穴径で制作しています。
口径:50A 完成深度:G.L.-5.5m 静水位:G.L.-1.55m
水量:多(推定230ℓ/min) 鉄分:10ppm以上 砂量:僅か(砂礫混り粗砂)
砂色:灰色 水色:灰色 水温:15.8℃ 外気温:31.0℃ 天候:晴れ
お野菜をいただきました。
いつまでも元気で美味しい作物をたくさん作ってください。
(有) H配管 代表様
この度はご紹介ありがとうございました。
N様
この度はご依頼くださり誠にありがとうございました。