施主支給器具を付けて貰いたい

今回の依頼は某所水まわり改修です。

下請けとして水まわりを担当させてもらいました。

元請様からは水まわり器具は施主が支給されるというお話でした。

配管施工で給排水寸法が知りたいので設置する器具の型番を尋ねると、某◯◯で落札して、もう直ぐ配達されるとの事でした。

もうこの時点で嫌な予感しかしません…。

納入されてきたトイレを確認すると消耗品の劣化が激しいばかりか付属品の欠品多数です…。

化粧ビスも無ければロータンクの手洗い金具もない始末です…。

とうの昔に廃盤品となっていて、図面すら展開されないため部品型番も拾い出せないですし、無論取り寄せも出来ません。

汎用部品で対応できる部分は対応させ、在庫で持ち合わせがある消耗部品は交換し、問題は専用部品が必要となる個所です。

 

 

 

今回は床との接続フランジが対応するものが無く、口径を小さくすれば辛うじて対応出来そうなフランジがあった事から、コンクリートを斫って配管側で口径変更させました。

 

 

ただ、リモデルトイレではないので座りも便器が前にきて背中が大きく隙間が出来て、ん゛ーーーと言った感想です…。

新品でもリフォームに対応したリーズナブルなトイレもあるので、そちらを選ばれた方が手間が減って余分な出費が抑えれたような気がしないでもないです…。

 

配管時に、トイレ室のこの辺りに手洗器を付けたいとの要望で給排水配管を憶測位置で仕込んでいたのですが、実際に施主支給で手配された手洗器は、通称で洗面器と呼ばれる物でした…。

この大きさでは動線上邪魔になるのでは?と進言させてもらうと、もう少し小さい物を探してみると次に用意されてきたものはなんと埋め込み手洗器でした…。

 

 

 

取り付け金具や給排水の接続金具も欠品されている状態ですし、鉄骨建物でC型チャンネルが横走っているので、そもそもが取り付け出来ません…。

結局、手洗器の取り付けは一旦見送りとなりました…。

 

シャワー室も付けたいとの事で、こちらも施主支給でご用意されました。

 

 

 

 

おそらく海外製の商品で、日本の給水装置工事規格には適合しない代物であると思われます。

据え付けで何回やり直しても排水が漏れるので、販売元のサイトで施工状況を確認すると、どうやらコーキングをベッタリ塗りたくっているようです…。

肉厚も薄く品質も悪く、締め込んでいる最中にでもひび割れてしまいそうなチープ品です。

他の販売元はホース部分を国産品に改良したり水漏れ検査をしたりして売っているくらいなので、実際に漏れる事案があったのでしょう…。

類似粗悪品にご注意下さい!と注意喚起しているところをみると、改良無しでは粗悪品ですと断言しているようなものです(笑

 

 

 

数年でトラブルに発展するのは容易に予測できるので、配管直結は避けて敢えて漏れることを想定とした排水処理としておきました。

施工性も悪く、しかも三面ガラス張りで非常に重く動かすことすらままなりません…。

無防備な状態でシャワーを浴びるわけですから安全面を第一に考えてガラスではない方が良い気がいたします。

極め付けは、水栓ハンドルの位置によって本体から水漏れしてきます…。

明らかに初期不良案件です…。

と言うか、予想を裏切らないところは逆の意味で関心させられます(汗

こちらはお施主様が仕入れたものなので、ご本人様が販売元と連絡を取り合って修理依頼をしていただく旨をお伝えさせていただきました。

ただ、国産の部品を使用していないので、販売終了や部品供給終了となった数年後の修理には対応出来ないでしょう…。

専用水栓なので、後々の取り替えも考慮されていないため壊れたらシャワー室単位の交換となる事でしょう。

もう少し差額を出せば、国産メーカーのシャワー室がございます。

水栓も汎用品で将来的に対応できるものが設計されておりますし、排水部品もしっかりとしたものがご用意されています。

壁にも扉にもガラスは使用されていませんし、万が一の天井壁の点検口も準備されています。

水まわりの中古品や海外製をお勧めしない理由のお手本のような内容でした。

見た目や価格だけに捉われますと本質を見失いかねませんので、専門家のお話に耳を傾けて後悔しない器具選びをしていただければと思います。

 

 

 

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(有)F 代表様
O 代表様
この度はご依頼いただき、誠に有難う御座いました。

 

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