今回の依頼は、自家水道設備の更新です。
先代が昭和56年に井戸を掘った時に設備したものになります。
数世帯が生活用水として共同使用しているもので、40年余り頑張ってくれました。
突然壊れてしまうと生活に支障を来してしまうので交換を希望されました。
井戸施工当時に整備されていなかった上水道も、現在では道路に埋設されているのですが利用者全会一致で、これからも井戸水を使用したいとのことです。
こちらもコロナ過の影響で発注から3ヶ月の遅延でした。
今回は壊れる前の更新依頼だったので良かったのですが、これが壊れてからだったらと思うとゾッとします…。
施工当日に作業がスムーズに行えるように、事前に電気屋さんに制御盤まわりの仕込みをお願いしました。
井戸の深さは75m掘ってあるようですが、繰り出し管の詳細が今一つはっきりしなかったので、現地調査を行いました。
33.45m下に地下水位があるようです。
繰り出し管は40mでした。
当時のデータでは静水位は32.5mと記載があったので、1m程度の地下水位低下が見られます。
揚水量や動水位の記録は無く、水中ポンプ稼働時の地下水位ドロップが解りません。
鑿掘データでは、44mから下にストレーナーが設置されているようでしたので、水中ポンプがその位置にかかると砂利が噛んでモーターがロックしたり地下水が濁ったりすることがあるので、今回は繰り出し管を2mだけ追加したギリギリの42mとしました。
水中ポンプのねじ込みから吸い込み口まで0.7mあって、継ぎ足しソケットの伸び代を含めると実質43.2mとなります。
昔の水中ポンプは井戸の口径一杯だったので、引き上げ最中にナット1個でも落とそうものなら、ポンプと井戸ケーシングが噛んでしまって引き上げが困難となってしまうことがあるので落下させないように注意して作業を行いました。
圧力タンクの底も、いつ抜けてしまってもおかしくないくらい傷んでいました。
今回の繰り出し管は内外面被覆鋼管とさせていただきました。
井戸蓋が前の物より小さくなってしまっていましたので、井戸ベースをモルタル補修しました。
新しいポンプにすると老朽していたポンプより汲み上げ量が増加して井戸水の濁りを発生させることがあるので暫く揚水確認を行いました。
順調に作業が進み更新が完了いたしました。
また40年頑張ってくれることを願っております。
T様 並びに関係者各位
この度もご依頼いただき、誠に有難うございました。