今回の依頼は、井戸ポンプが回りっぱなしで電気代が高くなったので見てほしいとのことでした。
バルブを全閉状態にしてもプレッシャータンクのゲージが、なかなか停止圧力まで昇圧しません。
元々は掘井戸だったようですが、枯れてしまったので掘井戸の中に40Aの打ち込み鉄管を打ち込んだようです。
枯れてしまった掘井戸の深さが地上から底まで5mあったので、静水位はそこから更に下だと思われます。
既設の汲み上げポンプの吸い込み揚程が7mですので、ポンプの能力ギリギリまで地下水位が下がってしまっていることが考えられます。
対策としては、8mまで汲み上げ可能なポンプに交換するか、50Aの打ち込み井戸を打ち直して、深井戸ジェットポンプを設置するなどがあります。
または、ポンプピットを2m掘り下げて、ポンプを下げる方法もあります。
今回は、そこまでの費用は掛けれないし、上水道も併用していて僅かな水量しか使用していないということから、ダメ元で砂濾し器を撤去して様子を見てみることにしました。
電話で相談をうけた際に、砂濾し器の清掃を依頼されたのですが、古くなった砂濾し器は分解すると元に戻せないケースが多く、仮に組み戻せたところでパッキンも劣化していているのでエアー吸いのトラブルを引き起こす心配があることをお伝えさせていただきました。
予想通り、ここまで錆がこびり付いてしまっていると、清掃はおろか、分解すらままなりません。
今回は砂濾し器の目詰まりが原因なのか、地下水低下が原因なのか不明だったため、砂濾し器が無駄になってしまわないように直結接続とさせていただきました。
毎分40L揚水するはずのポンプですが、8L程度しか汲み上げれていないようです。
それでも砂濾し器を撤去したことで、手を入れる前より汲み上げ量が多くなったようで依頼者もご満悦の様子でした。
地下水低下が進行して将来的には完全に汲み上げれなくなってしまうでしょうが、それまではお使いいただくことができます。
F様
この度はご依頼ありがとうございました。