潅水用の井戸がほしい

今回の依頼は打ち込み井戸工事です。

苗の潅水用に井戸水を使用したいとのことです。

9年前に100m離れた場所に施工した時には砂が多かった記憶です。

磐田市K地内 灌漑用・防災用打ち込み井戸

その時はエンジンポンプでの汲み上げでしたので多少の砂の排出は問題になることはありませんでした。

静水位が高く、水量も多くありましたが5mより深くなると鉄分反応が出てしまい、その下は70mまでいかないと鉄分は無くならないので、今回も5mまでの深さを目安にしました。

水量を確保したいのと、今回は電動ポンプでの揚水ということで砂は極力出したくありません。

工事に先立ってストレーナーをいつもより長めに取ってSUS網巻き仕様の打ち込み鉄管を製作しました。

 

 

 

 

 

 

打ち込み作業が完了して揚水してみると、期待通りの結果にはならず砂が排出されます。

途中に堅い層があったのが影響したのか巻いた網が機能していないようです。

 

 

このままの状態で水替えに数日かけて砂が減るまで汲み切る選択肢を取るか悩みましたが、それでも完全に砂を止めることはできないので、今後の対策のためにも抜き上げてみることにしました。

 

網が破れてストレーナーが完全に露出してしまっています。

これでは砂が止まるはずありません。

一日がかりで製作しましたが反省点が浮き彫りになりました。

網の巻き方を再考して日を改めようか、何か他に良い方法はないのか熟考した末に、今回は一か八かで網巻きビニル管を入れてみることにしました。

一旦事務所へ戻り、道具の支度を整えリベンジです。

水量が多いということは帯水層に大きな礫があるのは明白で、前車の轍を踏まないか不安しかありません…。

 

 

管内を洗浄すると大粒の砂利がガラガラと出てきて底まで浚えるか心配でしたが、今回は運良く所定の位置まで網巻きビニル管を挿入することができました。

丁度良い大きさの石が嵌らずに管底に溜まった砂利が浚えるかは、正直その時の運だと感じました。

神社で手を合わせてきた神頼みが届いたのか、今回は救ってもらえたようでとても嬉しいです。

ただ、35℃を超える灼熱の中での思惑通りにいってくれない打ち込み井戸作業は心身共にかなり堪えます…。

 

 

 

 

口径:HI-VP30 総打ち込み深度:GL-5.8m 完成深度:GL-5.0m
静水位:GL-1.40m 水量:中(推定190ℓ/min)
鉄分:反応無し 砂量:無し 砂色:玉砂利混り茶色砂 水色:山吹色
水温:19.8℃ 外気温:35.5℃ 天候:晴れ
六曜:大安 海抜:4.6m

 

 

 

 

電源引き込み前でしたので発電機を持ち込み試運転しました。

砂も鉄分も無く、三相1500Wのポンプだけあって揚水量も毎分200L近く出るようです。

5mまでは鉄分がありませんが、5.5m部分では鉄分反応が出てしまいますので冒頭で記述した帯水層と同じようです。

今回は失敗から閃いたことがあって、そちらは次回の機会に試してみたいと思います。

網巻き鉄管の改良版も考えていかなければなりませんが、これに関してはもう20年以上悩み続けていますので簡単には答えが出ないかもしれません。

日進月歩でお客様により良いものを提供できるように、これからも精進してまいります。

 

T(株)担当N様
H様
この度はご依頼いただき、誠に有り難う御座いました。

 

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