今回の依頼は打ち込み井戸の打ち直しです。
井戸水使用の蛇口から空気が混じって出てしまう症状から砂濾器を交換させてもらったのですが、改善しなかったお客様です。
その数ヶ月後に完全に井戸水が出なくなってしまい、緊急対応で仮設バイパス配管を行いました。
これまでも上水道は併用されていましたが、これからも井戸水は使用していきたいと井戸の打ち直しをご用命いただきました。
昨今の夏場の水道水は、お湯と錯覚してしまうほど地中の配水管が地表温度に加熱されてしまっています。
この先も気温上昇が収まる気配は無さそうなので、夏場でも冷たい地下水を有効活用する新たな取り組みが求められていくような気がいたします。

この辺り一帯は昔から地下水が豊富な地域で、5m程度の深さで飲用できるほど水質にも恵まれていました。
ところが、辺りで建設用の砂利を採取するようになってから地下の砂利が少なくなってしまいましたので、同時に地下水位も下がり水量も減少傾向です。
お客様の家の前の田んぼも数年前に砂利を採取されていますので今回の井戸枯れが発生してしまった要因なのかもしれません。
少し離れた場所の11mの打ち込み井戸が出なくなってしまった報告例も耳にしています。
以前少し離れた場所で16.5m打った時には砂が多くて水替えに苦労した経験がありましたので、諸般を踏まえて今回は14〜15mの深さを目標に設定しました。

やはり砂利取りの影響が大きいのか5.5m、11mの深さの地下水は明らかに減少しています。
15mで左に見える山の足に到達したようで硬くてこれ以上の打ち込みは難しいと断念しました。
堅くて地下水を多く含んでいない15m深度の地下水は微量で実用には到底叶わないと判断し少し抜いてみたところ、毎分200リットルの汲み上げを確保できました。
ですが砂の排出がとても多かったので更に抜き上げていくと14mの深さに砂礫も荒く砂の量も大分収まってくれた帯水層がありましたので、こちらを完成深度とさせていただくことにしました。

口径:50A 総打ち込み深度:GL-15.0m 完成深度:GL-14.0m
静水位:GL-3.40m 水量:中(推定210ℓ/min)
鉄分:反応無し 砂量:僅か(粗砂) 砂色:褐色礫混り暗粗砂 水色:朽葉色
水温:16.7℃ 外気温:33.0℃ 天候:晴れ
六曜:大安 海抜:19.4m
上空に電線があったことから今回打ち込み井戸の場所をずらさせてもらってます。
井戸とポンプは隣接させた方がベストパフォーマンスを発揮してくれますので既設のポンプも移動させました。
それに伴って電源コンセントも近くまで移設させています。
エア吸込みを起こさないようにサクションは打ち込み管に8m挿入しました。

お客様のご要望で旧打ち込み井戸の息抜きをポンプ横へ立ち上げてあります。
井戸の打ち直し後は空気混じりも解消したようです。
とても暑い最中に施工しましたので冷たい井戸水を堪能できるお客様がたいへん羨ましく思いました。
M様
この度もご依頼いただき、誠に有難うございました。



