トラックで打ち込み井戸をぶつけてしまった

今回の依頼は打ち込み井戸の打ち直しです。

畑の潅水用の打ち込み井戸にトラックがぶつかってしまってから水を汲み上げることができなくなってしまったようです。

 

 

継手を組み直してみましたが、地下水を汲み上げることはできませんでした。

当事者との話し合いの末に補償復旧となったようです。

水を汲めなくなってから一週間になるそうで、同業の知り合いから当店をご紹介いただきました。

普段は験を担いで吉日に施工させていただいておりますが、連日の猛暑で作物が枯れてしまっては元も子もないので最短日の施工で調整を取ることにしました。

先ずは既存の打ち込み井戸が抜けるか試してみました。

計測すると6.5m打ち込んであり、途中に粘土層が存在している影響なのか摩擦係数が上がっています。

打ち込んだばかりの管肌がツルツルしている滑らかな鋼管と違って、数年経過した土中の鋼管は腐食が進行していて管肌がザラザラしていますので、その分抵抗が増して抜き辛くなります。

延長されているネジ接合部が打撃に耐え切れず引き千切れて土中に置き去りになってしまったら、そこまでと事前説明させていただきご承諾いただきました。

時間をかけて慎重に抜き上げました。

 

 

土質にもよるのですが古くなった打ち込み井戸鋼管は打撃か振動を加えながら引き抜き上げないと抜けてきてくれません。

多分この井戸も100tレッカー車を以ってしても、ただ単に引っ張っただけでは玉掛ワイヤーロープが切れるかなどして抜けてはくれなかったでしょう。

打つよりも抜く方が手間が掛かるのが最後の動画を見てもらうとよく分かります。

苦労してわざわざ抜かなくても直ぐ隣に打てば事は足ります。

だだ…何とな~く気分的なものですが…指にトゲが刺さっている感覚に似ていて不要になった井戸はいつまでも気になってしまいませんか?

 

既設の井戸は砂が多く出るとのお話しでした。

砂地の帯水層でストレーナーの穴径も6~7㎜と大き目でしたので砂が止まることはなかったのでしょう。

当店のストレーナー加工したものと見比べると、かなり大きく感じます。

 

 

深度5m部分に礫混りの帯水層がありましたが、砂が細かく、水量もあまり多くなかったことから下へ探ることにしました。

その後11mまで打ち込み汲み上げてみると、砂は荒くなったものの砂の排出が収まる気配はありませんでした。

引き抜いて探りを入れたところ、10m部分が一番最適な深さと判断し、こちらを完成深度とさせていただきました。

どの深さも鉄分は多く検出されます。

この辺りも80mまで鉄分が無くなることはないので、飲用目的であれば100m以上を目指すことになります。

 

 

口径:50A 総打ち込み深度:GL-11.3m 完成深度:GL-10.1m
静水位:GL-2.80m 水量:多(推定300ℓ/min)
鉄分:10ppm以上 砂量:中(粗砂) 砂色:明灰色 水色:灰色
水温:16.5℃ 外気温:36.2℃ 天候:晴れ
六曜:友引 海抜:8m

 

 

(有) I代表様
この度はご紹介いただき、誠に有り難う御座いました。
O様
この度はご依頼いただき、誠に有り難う御座いました。

 

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