今回の依頼は井戸ポンプが動かなくなってしまったようです。
リセット復旧しても稼働直後に基盤の安全装置が働いて再びモータを止めてしまう状態でした。

モータベアリングが焼損して音を出していますので、過負荷により定格電流を超えたときに働く過負荷運転防止装置のサーマルリレーが働いている状態です。
以前メーカーに尋ねたときにインバーターモータはベアリングの交換ではなく、モーターアッセンブリでの交換になるとのことでした。
10年以上経過していますとボルトやビスが錆びていて回せなかったり、鋳物のケースが分解組戻しの最中に割れてしまったりします。
インバータモータですと回転制御している電子基板の老朽も心配です。

モータを一式交換するとしても、メカニカルシールも交換しなければならないですし、インペラも外さないといけないので分解組戻しの破損のリスクと残りの使用年数を天秤にかけたときに本体毎新品に交換した方が余程利口です。
今回は18年使用されていましたので、問答無用の新品交換でご提案させていただきました。

前任者がステンレス製のポンプに鉄製の継手を使用してしまっていて、イオン化傾向で鉄が腐食して管が閉塞していました。
こちらはステンレスの部材に変更させました。
逆に良かれと思って鋳鉄製の砂濾器にステンレス製の継手を使用してしまいますと鋳鉄製のフランジが腐食して、これまた閉塞してしまいます。
鉄と銅の相性も良くありませんが、ステンレスほどではありません。
管種毎に使用する継手は使い分ける必要があります。

こちらのお客様の砂濾器も樹脂製から鋳物製に変更させました。
試運転確認後に砂濾器内の砂を排出させました。
新品の状態でもこれだけゴムパッキンが押し付けられてへこんでしまっていますので、3年後、5年後のゴムが経たってきたときに掃除でもしようと蓋を開けてしまいますと、当たりがずれて密封できなくなって地下水を汲み上げできなくなってしまいます。
開けない方が無難ですが、どうしても気になって開けるときは予め厚めのゴム板を支度しておくか、砂濾器を交換してしまったほうが賢そうです。

(株)p 代表様
この度はご依頼いただき、誠に有難うございました。