井戸水の蛇口から空気が出るようになってしまった

今回の依頼は打ち込み井戸のメンテナンスです。

2015年8月の新築時に打ち込み井戸を施工させていただいたお客様です。

掛川市H地内 畑散水用打ち込み井戸

 

蛇口から空気が出るようになってしまったとのことです。

ポンプが悪いと考えたお家の方がホームセンターで新しいポンプを購入してきて交換したようですが、症状は改善されなかったようです。

当時、当店は打ち込み井戸だけの施工で、ハウスメーカーの営業担当さんから工事に水を使いたいからと、中古のポンプを用意されて簡単な設置を行い井戸水を使えるようにしてきました。

ですので、ポンプの本設置は当店では行っておりませんでした。

あれから10年が過ぎたこともあり、住宅の水道工事をされた会社も縮小し、工事を担当された方も退職されてしまったようで、修理してもらう宛てが無くなり困ってしまった所へ当時の記録を頼りに当店を探し出されて連絡をくださいました。

お客様は井戸に不具合があるのではと心配していましたが、当店は配管に不具合があるのではないかと疑いました。

井戸とポンプ設備を別々の業者が施工すると、問題が発生した時に不具合箇所特定が難しいので‎責任のなすり合いに成りがちです。

現地へ状況を把握しに出向きました。

打ち込み井戸の過去データを見返すと、水量も多く水位もそれほど低くはなかったので、ポンプまでの配管に何かしらの問題があると考えました。

ただ、ポンプまでの配管は当店で施工していませんので、打ち込み管に直結なのか、それとも間接的にビニル管が挿入されているのかも埋まってしまっていて解らなくなっていました。

先ずは、砂濾し器を新しくしてみて様子を見たらどうでしょうと提案させていただきました。

すると、砂濾し器の交換も自身で行なっても良いですか?と申されましたので、上水道とは違って法律上の制約もありませんので別にそれは構いませんが、でしたら商売をしている当店に利は無いですし、砂濾し器を交換されても症状が改善しなかったり、悪化して最悪水を汲めなくなってしまったとしても、不慣れな交換による不良なのか、それともまだ別に原因があるのかの判別も解り難くなってしまうので、その後の事は関知いたしません。

ご自身で手を出される以上は自己責任で最後まで解決していただきたいですとお伝えさせていただきました。‏

その返答に、お任せするのでお願いしますとご依頼をいただきました。

困ったので業者を呼び付けて、原因を教えてもらったら自分で出来そうなので自分でやりますでは関係は保たれません。

反対に、任せていただけたからには最後まで責任持って改善に向けて誠心誠意努めます。

 

 

ポリカーボネートの蓋に亀裂が入ってエアーが混入する事例が続出しているので、中は確認出来なくなってしまいますが敢えてオール鋳物の砂濾し器に変更させていただきました。

かなり容量が小さくなってしまいましたが、井戸水に混じる砂の量は多くなかった記録なので問題無いはずです。

砂濾し器の種類を変更すると長さが変わってしまいますので調整が必要になります。

交換後は空気混入音も無くなったような気はしますが、数日間様子をみていただくことになります。

10年前の打ち込み井戸工事をしたときの状況写真から、井戸の位置を探し出しました。

ポンプが据わっている場所から5mほど離れていて、鋼管の中にビニル管を挿入しているようです。

地下の含水量もそれなりに多く、11mを超える深度まで打ってあり、静水位がGL-3.7mでしたので、吸管が定尺4mと言うことは無いはずで、定尺2本の8mが挿入されていればポンプの性能上、井戸からエアーを吸い込んでくる事は無いので、8m入っている事を願っています。

井戸の場所は埋めてしまうと10年20年経つと人の記憶も薄れ、代替わりしたら尚更解らなくなってしまうので、杭棒でも打って地上から誰が見ても分かるようにしておいてくださいとアドバイスしてきました。

 

 

 

 

 

数日後にお客様から改善した旨のご報告をいただきましたので、これにて修理完了とさせていただきます。

 

R様
この度もご依頼いただきまして、誠に有り難う御座いました。

 

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