床板が膨らんでくるので調べてもらいたい

今回の依頼は、廊下の板が膨らんできてしまったので一度見て欲しいと相談がありました。

平成2年の新築時に配管工事を任せていただいたお客様です。

当時、建築を担った大工さんは既に他界されていて、お客様が知り合いの大工さんに床板を捲って見てもらったようですが、水漏れなのか雨漏りなのか判断が付かなかったようです。

浴槽の排水が詰まって溢れ漏れているのではないかと大工さんに指摘を受けましたので、念のため管内高圧洗浄を行いましたが、どうやらそれではなかったようです。

多方面からの要因を探っていきましたが特定には至らず、浴室周辺の床の痛みが激しいことからタイルの目地切れによる水漏れではないかと疑いました。

大工さんが床板を捲った部分のコンクリートを斫って、水が溜まってくるか様子を見てもらうことにしました。

 

 

 

数日おいてもらったのですが、湿ってはくるものの水が溜まってくる様子は見受けられませんでした。

そのままにしておいても家を傷ませるだけで話し合いの末に、新築から30年以上経過していることから水漏れの原因を探る目的も兼ねて浴室をシステムバスに改修していくご提案をさせていただきました。

 

 

元々は土建業を生業とされていたお宅でしたので、コンクリートと鉄筋がふんだんに使用されていました。

高強度のコンクリートが何層にも打ってあり、電動斫り機では全く終わる気がしなかったのでエアー削岩機を持ち込みました。

コンプレッサーを使用しても解体に3日もかかり疲労困憊でした…。

 

 

浴室と脱衣場を仕上げておいて問題のトイレと廊下に着手しました。

打ちっぱなしコンクリート土間にモルタル下地で床板を仕上げているフロアです。

床板が水を吸って膨らんできて躓くようになって気が付かれたようですが、冬は足元が冷えるからと元々の床板に全面タイルカーペットを敷き詰めてしまっていたので発見が遅れてしまったようです。

 

 

盛り上がってしまった床板を削って平らに整えました。

 

 

無垢の床板がまだ湿っている感じがしたので乾燥させるために、このままの状態でまた暫く様子を見てもらうことにしました。

定期的に状態の確認を行い、結果的に3ヶ月おいてもらいました。

 

 

 

時間を置いたことで床板の水分が抜けて逆に収縮して隙間がひろがってしまっています。

余りにも痛みが酷い床板は捲ってしまい樹脂セメントで補修をかけました。

床板を全部捲ってモルタル下地にフロアータイルとも思いましたが、板を無くしてしまうと冬場の底冷えが増してしまうような気がいたしました。

接着と隙間を埋める目的で速乾性の樹脂系パテを床板全体に均し、フロアータイル仕上げとさせていただくことにしました。

 

半年という長きにわたり、お家の方には大変ご不便をおかけいたしました。

実際なところ肝心な水漏れ箇所の特定には至ってないのですが、浴室の解体中に洗い場の排水金具の辺りが漏れていたような怪しい形跡がありましたので、コンクリート積層間を長期にわたり滲み漏れていたのではなかろうかと結論付けます。

今後も経過観察していく案件となります。

 

A様
この度もご依頼いただき、誠に有難う御座いました。

 

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