畑の水撒き用の井戸がほしい

今回の依頼は畑の潅水用の打ち込み井戸工事です。

これまでは少し離れたご自宅から水撒き用の水を運んでいたようですが、大変なので井戸を掘ってもらいたいと御用命下さいました。

この辺りは水量が豊富にある一方、鉄分と砂も多く出てこれまでも特に水替えでは苦労している地域です。

場所によっては粘土層も厚く、とても難しい場所になります。

 

磐田市T地内 灌漑用打ち込み井戸

磐田市K地内 機械冷却用の打ち込み井戸工事

某施設RK

 

したがって水質が良くない事を予めご了承していただいてのお引き受けとさせていただきました。

 

砂の汲み上げが多いので網巻ビニル管を井戸ケーシングとするさや管を打ち込む工法を選択しました。

打ち込み始めると、地表から2~3mあたりに堅い地層がありました。

これが後になって試練となることに、この段階ではまだ気付けていません。

一本目を打ち込み終わり、さや管内の砂を吐き出させると石がたくさん排出されてきました。

途中、粘土層もあったようですがどの辺りにあったかよくわかりませんでした。

 


さや管を打ち込む工法には弱点があるのですが、今回は見事にそれに該当してしまいました。

11m打ち込んだのですが、4m分の詰まった土砂が排出させることができませんでした。

どうにも石が浚えないため、打ち込んだ11mを全て抜き上げて、管内を確認してみました。

サンドイッチする形で上と下に丁度良い大きさの石がガッチリと嵌りこんでいました。

2~3mの深さで管の中に嵌りこんでしまったことで、その下の粘土層の深さも良く分からなかったようです。

一本目を打ち込んだ後にもう既に管内の掃除が出来ていなかったのですが、二本目を打ち込み終われば取れるだろうと勝手な解釈をしていたのがそもそもの間違いでした。

 

 

管内の詰まった石や砂を取り除き再度打ち直しを試みたのですが、やはり同じように2~3m地点の石が詰まってしまって土砂の排出ができなくなります。

さや管の内部の土砂を吐き出すことができないと網巻ビニル管を所定の深さまで挿入することができません。

色々考えたのですが良い策も思い浮かばず、1日目はタイムアップで翌日に結局諦めて通常の打ち込み管を打ち込むことにしました。

網巻管もこの日のために準備してきたのですが、どうやらお役に立てそうにありません。

 

 

 

 

 

 

 

当初の計画では水質は良くないが地下水が豊富にあるだろうと予想していた11mを予定していたのですが、試しに手押しポンプで汲み上げてみたところ5.5m地点に水質がとても良くて水量が豊富な帯水層があったことから、予定変更して完成深度とさせていただきました。

井戸施工業者の一丁目一番地は水質が良いことです。

これまでの他の場所では粘土層があったりして、この深さにこれだけの水量をもった地層は無かったので、こちらの場所には地下の川が流れていると思われます。

ただ、水量も多いですが当初からの不安材料でもあった砂もかなり多いです。

汲み始めは少なかった地下水でしたが、仕上げ揚水をして砂を排出させていくと、徐々に水量が増えていきましたが相変わらず砂は止まらないようです…。

電動ポンプでは砂が噛んでしまってとても使い物にはならない井戸ですが、エンジンポンプで汲み上げするとのお話でしたので、多少の砂は平気で汲み上げてしまうので使い込んでいくうちに砂も減ってくれるものと期待します。

 

砂が出る井戸は電動ポンプがトラブル

 

 

この辺りで次に依頼があったら、今度は網巻き鋼管の打ち込み工法を試してみようかと思いますが、摩擦抵抗が格段に増して細砂で水気の無い締まった砂層では打ち込めなくなるリスクも上がってしまいますので、それはそれで賭けとなってしまいます。

 

 

口径:50A 完成深度:GL-5.5m 静水位:GL-1.8m
水量:多(推定340L/min) 鉄分:反応無し 砂量:多
砂色:褐色混り暗灰色 水色:焦げ茶 水温:17.5℃ 外気温:32.0℃ 天候:晴れ
六曜:大安 海抜:8m

 

 

H様
この度はご依頼いただき、誠に有り難う御座いました。
たくさんのお野菜ご馳走様でした。

 

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