今回の依頼は、自家水道のメンテナンスです。
15年前の新築工事の時に打ち込み井戸工事をさせていただいたお客様です。
蛇口からエアーが出てくるようになってしまったようです。
何処から空気が入り込むのか、先ずは砂濾し器のパッキン類が悪いと考え分解組戻しをしてみたところ、今度は地下水を汲み上げることすらできなくなってしまいました。
念のため持参してきた比較的状態の良さそうな中古の砂濾し器を取り付けるも、これまた何処かでエアーを吸い込んでいるようでした。
分解したり組み戻したり、パッキン類にコーキングをしてみたりとあれやこれやと2時間ほど頑張りましたが、結局復旧には至らず、こんな事なら安易に手を出さなければ良かったと少し後悔しました…。
最終手段でホームセンターへ直結の材料を入手に走りました。
砂濾し器を撤去して直結をしたところ、正常運転を確認できましたので、一時これで使っていただくことにしました。
直結でも砂を汲み上げてこなければ何ら問題はないのですが、ポンプが石を噛んでモーターがロックしてしまったり羽根車が砂で傷ついてしまうこと、温水洗浄便座や給湯器等の水まわり器具にも不具合を生じさせてしまうことがあることをお伝えさせていただいたところ、砂濾し器の交換をご希望されました。
以前、別のお客様のところで同じようなケースで砂濾し器を取ってしまったことでポンプを痛ませてしまったことがあります…。
取り外した砂濾し器を持ち帰り、原因を探ってみました。
蓋に亀裂が入っているのですが肉眼では全く確認できません。
フランジが傷んでいたのが直接の原因だったのか…蓋のOリングが経たっていたのか…はたまた蓋の亀裂からエアーが入り込んでいたのか…
底にひびが入っていたのか、それともテストポンプで高圧を掛け過ぎたのでひび割れたのか?
結局のところ砂濾し器が悪かったということだけで、エアー吸い込み個所の特定はできませんでした。
砂濾し器を発注して後日復旧にお伺いしました。
逆止弁パッキンも交換して試運転も良好でした。
エアー噛みのメンテナンス時は、取り急ぎで手を出すのではなく、用意周到で臨むべきだと猛省した事例でした。
樹脂製の砂濾し器は錆びないので良いと思って長い間採用してきていたのですが、樹脂がひび割れてエアーを吸い込むトラブルが多発しているので金属製に戻しています。
金属製は錆びて目詰まりしてしまうデメリットがありますが、樹脂製はひび割れてエアーを吸い込んでしまうデメリットがあります。
突然ポンプが水を汲めなくなってしまうのは後者なので、リスクを天秤に掛けたときに金属製の方がマシなのかなと…。
オールステンレス製もございますが、とてもお値段が張るので採用していただけないのが実情であります…。
今回は砂濾し器の種類を変えてしまうと、配管まで触らないといけなくなることから同品で対応させていただきました。
基本的にはポンプ手前の砂濾し器や砂取り器と呼称されているものは砂を越してポンプやその先の水まわり機器を痛ませない為のものであって、溜まった砂を取り除く目的のものではないと考えます。
ですから、もし砂濾し器のメンテナンスを行いたいのであれば初めから新品交換が望ましいです。
と、修理後は毎度肝に命じているのですが月日が経つと忘れてしまい、また同じ事を繰り返してしまう愚かな自分がいます…(汗
F様
この度もご依頼下さり、誠に有難うございました。