今回の依頼は打ち込み井戸工事です。
お客様が知り合いの建設関係の方に井戸を施工して貰ったようですが、調子が良くないとの事です。
海岸に近い砂地の地域であり、吹かし工法で4m位の深さの井戸を掘ってあるそうです。
エンジンポンプなら汲み上げできたようですが、電動ポンプを設置したところエアーを吸い込んでしまって全く汲み上げ出来ないとのお話しでした。
現在、井戸はコンクリート土間の下に潜ってしまっていて、場所もはっきり分からなくなってしまい原因を探ることも出来ません。
コンクリートを取り壊して問題解決に奔走するよりも、新たに井戸を打ち直して貰いたいとご依頼いただきました。
今回も砂地対策の工法で施工させて頂きました。
1mも掘ると地下水が滲み出てきます。
9mまでは細かい砂ばかりで全く砂利がありませんでした。
土嚢で10袋ほど砂を排出させました。
9mまで山吹色だった地下水が肌色に変わり始めて、細かった砂も荒くなり大粒の砂利も一緒に出てくるようになりました。
地下水の量は9mより下の方が多そうですが、経験則で水質は9mまでの方が良さそうな気がします。
これより下へ追うことは更なる水質悪化の懸念が増すような気がいたしましたので打ち込みを中断しました。
ビニル管にステンレスの網を巻いたストレーナー管4.0mを挿入して鉄管を抜き上げました。
水出し、水替えを行いました。
地下水位も高く水量も豊富なことから、手押しポンプのハンドルがとても軽く操作できます。
20リットルのペール缶が6.67秒で満水になることから、推定で毎分180リットルの汲み上げ量があります。
一般的には砂地では金気が多いことから着手前から心配していましたが、簡易鉄分検査も飲用水質基準値以内でしたので安心しました。
砂がある程度出てこなくなるまで水替えを行い、電動ポンプの移設、配管切り回しを行いました。
目に見える砂の汲み上げも無く、エアーを吸うことも無く試運転も良好でした。
井戸の位置が分かるように施工しておきましたし、上部のキャップをを取り外せば後で地下水位を確認することもできますし、砂が出るようになったら井戸掃除も可能です。
災害時を見据えて後で手押しポンプを付けたくなったら、小型の手押しポンプでしたら此処から真上に延長して頂ければ停電時でも手動で地下水を汲み上げることが可能です。
これだけ暑くなると地下水の冷たさが最高に気持ちが良いです。
しかも使い放題ですから夏を存分に楽しんでください。
口径:30 完成深度:G.L.-10.25m 静水位:G.L.-1.00m
水量:中(推定180ℓ/min) 鉄分:0.2ppm以下 砂量:僅か(細砂)
砂色:薄茶 水色:山吹色 水温:17.0℃ 外気温:32.0℃ 天候:晴れ
六曜:大安 海抜:14m
S 代表様
この度はご依頼頂きまして、誠にありがとうございました。