今回の依頼は、解体業者様からです。
建物を壊している最中に機械で水道管を引っ掛けてしまったようです。
電話口での話だと、メーター手前で鉄管のようだとのことでした。
先約があるので直ぐには伺えないことを伝えると、それでも構わないので終わり次第来てくださいとのことでした。
断水器は持っているとのことでしたので、とりあえず鉄管でも挟んで止水できるので止めておいてくださいとお願いしました。
用を済ませて現場に到着すると、チョロチョロと完全には止水できなかったようですが挟んでありました。
作業をするに、できれば完全に止水させておきたいので、力一杯増し締めすると止まってくれました。
それを真横で見ていた解体業者の若社長が、
「ヤバいよ長島さん!うちの若い一番力がある従業員が、もうこれ以上は止めれません!無理です!って言って止めれなかったんですよ!」
と驚いた様子でした。
そう?と軽く返事を返すと、その後すぐに体格のガッチリした若い従業員が駆け寄ってきて、
「目一杯力を振り絞ったのですが無理でした。凄いっスね!御見逸れしやした!!」
と、わざわざ挨拶にきました。
“御見逸れしやした”って、今時の若い子も使うんですね。
私はそっちが衝撃でした(笑
手だけでやろうとせずに足も同時に使うんだよと教授しました。
何事もコツがありますよね。
水道管がコンクリート基礎の中に埋没されてしまっていて解体用の大きなユンボでは無理そうなので、手作業で斫って水道管を追っていきました。
すると、掃除口の下に隠されていた一次止水栓を見つけることができました。
蓋の表示が掃除口だったため、まさか止水栓だとは気付かず発見が遅れました。
元々ここにメーターBOXがあったものを別の個所へ移設したのでしょう。
悪いことに、その先は鉛管が道路へと伸びていました。
鉛管は簡単に引き千切れてしまいますので、なるべく手作業での解体をしていただくようにお願いしました。
解体工事用に水撒きができるようになったので、これにて離脱です。
解体後の売却先が決まっているのかは存じませんが、鉛管交換は新築工事を請け負う水道屋さんにお任せです。
それから数週間後…。
解体屋の若社長から、隣接した家の埋設管が破損してしまっているようなので直して貰いたいと連絡がありました。
建物の解体は終わっていて、鉛の水道管も引っ張らなかったようです。
前日に降った大雨の影響だと思いますが、隣の家の土が解体現場の土地の方へ流れていってしまったようです。
そのせいで、埋設管が引っ張られてしまったと考えられます。
雨水配管は、どうして割れたのか今ひとつはっきりとしませんが、陥没が起因でこじられてしまったと考えるのが妥当でしょうか…。
お家の方が応急でテープ紐で水漏れを直そうとしたようですが、そんな事で直るはずは無く…。
と言うか、経験浅い方がされる水道修理って、その時だけ良くても数年後に水漏れが再発しがちです。
継手が2/3程度刺さり切れていませんでしたので余計に抜けてしまったのでしょう。
今回は、紺色の継手が抜けてしまって水漏れしていましたが、ねずみ色の継手が昭和の時代の物なので次期漏水予備軍でもあることから、ついでに更新しておきました。
紺色の継手は下水切替工事に伴って、水道管が邪魔になって切り回しをした部分でしょう。
抜けた箇所だけをピンポイントで修理しても、後に直近の継手がひび割れて水漏れが再発することもよくあることです。
埋戻しは砂を使用してもらい、十分な水締めを行っていただくよう解体屋さんにお伝えしました。
(株) S 代表様
この度のご用命、誠に有難うございました。