お風呂の蛇口がポタポタ漏れる

今回の依頼は浴室水栓の交換です。

止まりが悪い時があるので交換をご希望でした。

新築から20年経過とのことです。

 

 

TOTO社製の見慣れない品番のクリックシャワー付サーモ水栓が付いていました。

 

 

 

 

 

 

 

クランク脚を省いて直付けとされていました。

既存水栓取り付けピッチは一昔前のタイプで90mmです。

 

 

TOTO社製の現行販売のシャワー水栓の取付ピッチは数年前に90mmから150mmに変更されてしまっているので、そのままでは取り付けることができません。

 

※現行品

 

 

この間隔はメーカーに寄って様々で85mmであったり、100mmだったり、120mmだったりもします。

ユニットバスシリアルナンバーから対応できる水栓が存在するのかメーカーへ問い合わせてみました。

 

 

 

 

すると、メーカーからの回答は、標準仕様は埋め込み型の水栓となっていて、現状の水栓TMY7Wは量販店用に販売されている水栓だということです。

当時のメーカー工場出荷構成品とは異なっており、ユニットバス用ではない量販店用の水栓を現場責任で交換されているとの回答でした。

よって、対応できる水栓はございませんとのことでした。

シリアルナンバーから照会したお客様名も異なっておりましたので、訳有り商品だったのでしょう…。

こうなると現場の人間が何とかしてあげるしかないので、再訪問して調査しなおしてきました。

 

カウンター干渉までのクリアランスが80mm。

 

 

 

 

 

 

このようなアダプターがTOTO社から用意されているようではありますが、見た目を追求するとイマイチスマートではありません。

再考した結果、他メーカーで同じようなタイプで取り付けピッチが適合する水栓を探し出して採用することにしました。

日を改めて再々訪問して作業しだしたら、、、

 

 

 

ウッカリしてました…。取り付けピッチはバッチリでしたが肝心の取り付けネジが合いません…。

ガタガタです…。

図面にも記載されていますが、TOTO社製の取り付けナットのネジ山は、W28山18というものとG3/4というものの二種類あります。

更新する水栓の取り付けネジはG3/4ですが、既存の取り付けナットはW28山18という異なるものです。

付属のクランク脚では脚同士が干渉してしまい取り付けることが出来ませんし、別途部材発注で短いクランク脚に変更したとしても水栓の高さが上がり使い勝手が変わってしまうので芳しくありません。

 

 

 

 

外した水栓を元に戻してまた仕切り直しです…orz

部品を注文して後日、再々再訪問です。

 

 

 

W28山18×G3/4の変換アダプターを中間に挟み込みました。

 

 

 

やっと取り付けることが出来ました。

 

 

 

今までの水栓とはメーカーが変わってしまいましたが、見た感じも大きく変えずにストップシャワー付サーモ水栓で短い吐水口、配管カバーは磨いて綺麗にしました。

やっと終わったと安心していると、洗面水栓の止まりが悪い時があるのでこちらも直してもらいたいと追加依頼をいただきました。

 

 

こちらもTOTO社製の洗面化粧台でした。

水栓に型番表示は無く、水栓画像と洗面化粧台の品番ラベルを添付してメーカーへ問い合わせを行いました。

 

 

すると、メーカーから此方の水栓のような設置面が傾斜になっている仕様の品揃えは現在では無く、もちろん代替品も無く、品番特定も出来ずで洗面化粧台一式での交換を促されました。

特定ではないが、画像判断からそれらしき品番は提示してもらい、補修部品も現在提供中であるとのことでしたので、こちらは修理対応させてもらうことにしました。

部品納品後に5回目の訪問です。

水栓カートリッジを交換しようと水栓を分解してみると、メーカーに提示してもらった参考品番で注文した部品とは異なるものが内蔵されておりました。

 

 

何度も何度も大変申し訳ないのですが…とお客様に謝罪して、部品の注文し直しです。

こちらの型番違いの部品は、毎度の如く当店負担のお蔵入りとなります…。

よく出る部品なので、いつの日か別のお客様に拾ってもらえることを願っております。

 

さてさて、今回カートリッジ交換と併せて、ホースも注文しています。

設置から10数年経過すると、水栓のホースが老朽で水漏れしだして収納内や床板を傷ませることがあります。

今回は水漏れ前でしたが、未然に防止するという観点で交換をご提案させていただいたところ、ご了承くださいましたので交換するつもりでいました。

まさか、これも合わないのだろうか?と不安に駆られながら作業すると、こちらは心配を他所にすんなりと交換することができました。

 

 

 

何だかよくわかりません…。

 

以前、別のお客様宅で交換した古いカートリッジを何かの役に立つかもと取ってあったので見比べてみました。

 

 

色こそ違えど、形は適合しそうな気がします。

乗り掛かった舟で、ここで身を引くわけにもいかない正義漢から、伸るか反るかで注文です。

 

 

部品が届くと今度は色も同色でバッチグーぽいです。

訪問可能日の確認のご連絡をして、6回目?の訪問です。

前回の時に分解しているので、交換作業はスムーズで5分もかからず完了です。

 

 

 

やれやれ、やっと終われそうかなと安堵していると、お客様から前回交換してもらった浴室水栓のシャワーホースが硬くて使い辛いと申し出がありました。

それは取り付けている時に、私自身も感じておりましたが、水栓の選択肢がこれしか無かったので止むを得ないことでした。

常には選ばないメーカーの商品なだけに、手元に届いて梱包を開けて取り付けして実際に使ってみるまで評価は不明です。

追加費用が掛かっても良いのであれば別のホースを別途発注するのですが、今回は取り換え前の古いホースが思ったほど傷んでいなかったので再利用して様子をみていただくことにしました。

 

 

 

シャワーヘッド側はそのままネジが適合しましたが、水栓側のネジがこれまた合わなく、たまたま持参していた変換アダプターが合ってくれたので助かりました。

 

 

 

今回も、とても勉強になりました。

もがけばもがくほど深みに嵌まっていく沼のようでしたが、何とか生還できました(苦笑

苦労しただけ身に付きますし、文章にすることでより深く記憶に刻んで今後に役立てたいと思います。

反省点としては、初期段階の調査精度をもっと上げて、現場作業の時短が行えるように尽力したいと感じました。

これからも日々精進してまいります。

 

 

N様
この度もご依頼下さり、誠に有難うございました。

 

PAGE TOP