今回の依頼は洗濯場の給水管の錆が酷く、洗濯機が壊れてしまったので、水道管の洗浄をしてもらいたいとのことでした。
築45年の配管なので、鉄管の内面に二層になった樹脂層が無い昔ながらの普通の鉄管です。
俗に言う水道管洗浄とは、圧縮エアーと水を同時に流し込み、サビを洗い落とすのが一般的だと認識していますが、錆びている管が新しくなるわけでは無いので、あくまで一時的な対応であると考えます。
時間が経過すれば、またサビは出てくるようになるはずです。
老朽化した大規模マンションの設備を延命させるために高額な費用を掛けて、配管洗浄をしてから内面樹脂コーティングを施すような特殊な技術を用いれば効果はあるとは思いますが…。
ただでさえ、傷んでいる管に刺激を与えるわけですから、寿命を縮めるばかりか、最悪洗浄中の管に穴を開けてしまうなど、水漏れを発生させてしまうリスクは高いと言えます。
一般住宅のような小規模な建物の設備であれば、古い管を廃止してしまって新しい管に引き直してしまった方が、よほど確実です。
今回は配管洗浄でご相談を頂戴いたしましたが、よくご検討していただいた結果、配管引き直しで施工を進めさていただくことになりました。
新しい水道管を通す穴を開け、外部から引き込んでいきます。
化粧のカバーを用いて見栄え良く露出にて配管しました。
今まで洗濯水栓が付いていた古い水道管は、プラグ止めとしました。
実は今回、想定外の問題が発生しています。
古くなった元栓のハンドルが固着してしまっていて水を止めることができませんでした…。
水を止めれないと作業が完了できないため、お客様に説明をさせていただき、元栓の交換の了承をいただきました。
元栓がメーターボックス側に寄っていて、一抹の不安はありましたが、まぁ何とか成るでしょと、いつものように古い止水栓を取り外し強行しました。
今回は失敗しました…(´-ω-`;)ゞポリポリ
思いのほか水圧が高かったところに、量水器の箱に取り付けナットが干渉して上手くネジを食わすことができず、10分くらいは奮闘したのですが途中で断念してコンクリートを斫って配管を挟み断水させました。
薄手のゴム手袋が水勢で破れてしまうほど勢いが強く、2月だったら間違いなく手の感覚が無くなっていたでしょう…。
新しい止水栓を取り付けて安心したのも束の間、今度はハンドルが量水器の箱に干渉してしまうという…。
鉄製のボックスも錆びてボロボロになってしまっていましたので、こちらもお話しをさせていただき交換させていただくことになりました。
専用工具で配管を潰した部分は弱くなるので、補修バンドで保護させています。
コンクリートを復旧して止水栓交換も苦労の末に完了です。
どちらが本命工事だったか解らなくなってしまった施工事例でした…。
今後、メーター器や止水栓が交換し易いように配慮して配置させました。
古い元栓が壊れた原因を分解して調べました。
工具をかけてもハンドルが回らないほど固着しており、思い切り力を掛けたらハンドルが捻じ切れてしまいました。
台所や洗面所の収納内やトイレにある止水栓同様、この手の止水栓は全開にした後に、一回転ほど戻しておかないと固着して動かなくなってしまいがちです。
熟練した水道工事業者であれば半周ないし一周戻すのは定石と心得ていますが、そんなことを知らない新米の水道工事従事者や、お家の方が止水栓を触ったときに、キュッと全開のままにしてしまうので、数年後には動かせなくなるのです。
元栓が止まらないと、配管の水漏れ修理や、蛇口を交換するとき、8年毎のメーター交換の際にも非常に困りますので止水栓不良のお宅は交換をお勧めいたします。
H様
この度はご依頼ありがとうございました。