井戸ポンプを直してほしい

今回の依頼は、井戸ポンプの修理です。

ポンプからの異音が激しく、ベアリングが損傷してしまったようです。

15年の使用とのことで、本来ならば交換が望ましいのですが、いま現在納期に3ヶ月ほど掛かるとのお話しでした。

ならば修理でとメーカー担当に相談されたようですが、あまり乗り気にはなっていただけなかったようです。

困ったので自社で修理されようとしたみたいですが、手に余り断念して当店にご相談くださいました。

こちらの記事をご覧になられて、ご連絡くださったのではないかと思います。

 

多段渦巻きポンプオーバーホール

 

年数が経過していると腐食が進行していることも多く、分解途中で壊れてしまう恐れもあるのでメーカーサービスが躊躇するのも分かる気がします。

水を使うお仕事をされているとのことで、お困りのご様子でしたのでお引き受けさせていただくことにしました。

現地作業では、道具足らずな面が否めないことから、朝一番でポンプを預からせていただくことにしました。

 

 

年数相応の痛みが見られメーカーが背を向けたのも何となく頷けます。

 

 

長年の固着にベアリング損傷による焼きが合わさり、ビクともしませんでした…。

持久戦を覚悟して本腰をいれました。

 

 

ベアリングを抜く工具だけでは対処できず、治具を自作して合わせ技で取り外すことができました。

この場面でも先代の教えの「無い工具は自分で作る」に助けられました。

 

 

恐る恐る力を加えながら、コンコンと衝撃を与えたところ、バキッ!!!と言う音と共に外れるので、毎回ベアリングハウジングが割れたんじゃないかとドキッとしてしまいます…。

 

反負荷側は簡単に外れるかと思いきや、こちらもガッチリ固着していました。

取り外し用の工具を試行錯誤しながら制作し、何とか取り外しすることができました。

 

交換部品は依頼者様がご用意してくださっておりましたので、それを使用させていただきました。

グランドパッキンはそこまで傷んではおりませんでしたが、こちらもご用意くださっておりましたので併せて交換させていただきました。

 

 

工具を作りながらと言う事もありますが、ベアリングの取り外しに6時間近くかかっております。

それとは反対に組み戻しは1時間足らずでスムーズに行えておりますので、如何に壊すことなく古い部品が外せるかで明暗が分かれます。

 

 

当日夕方に納品を済ませ、セッティングはお客様でされるとのことでお任せ致しました。

ポンプの分解修理も技術が要りますが、組み戻し時の芯出し作業も重要ですので慎重にセットしていただき、数日間は経過観察していただきたいと思います。

 

 

操業に影響を受けてしまい易い設備は、壊れてしまう前段階で早目の見切りを付けて新しい物へと更新されることをお勧めいたします。

 

 

(株) K 工場長様
この度はご依頼下さり、誠に有難うございました。

 

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